怖い話や都市伝説などのオカルトな話が結構好きなわけですが、今回はそんな怖い話を少し集めてみました。
浮気
男は一週間ぶりに出張から家に帰ってきた。
男はシャワーを浴び、つまみを食べながらビールを飲む。眠くなったので寝室へ行き、部屋の明かりをつけようとスイッチに手をかけた。
「カチッカチッ」
あれ?
電球が切れたのかな?
部屋の明かりはつかなかった。
久しぶりの寝室に漂う緊張感に身をふるわせ、ベッドに滑り込んだ。
午前2時、携帯が突然鳴り出した。
「あなたの家に行ったら知らない女のひとがいて…」
「ゆみこ?なに言ってるの?」
…心当たりはある。
浮気を認めて謝るか、言い訳を考えるか。
いや、待てまだ決断のときじゃない。
とりあえずシラを切り、彼女の話に合わせながら状況を判断しよう。
「で、なに?……」
「殺した。ベッドの下に置いといたから」
リサイクル
駅のホームにあるベンチに座り電車を待っていたときだった。隣に赤ん坊を抱いた女性が座った。
子供が好きなので、ついつい子供のほうに目がいってしまう。それに気づいた母親の女性が話しかけてきた。
「これね、実は私のバッグなの。」
そう笑いながら赤ん坊が着ていた服をめくると、お腹にはジッパーがついていた。言われてみれば赤ん坊の目はガラス玉のようだ。
「すごい、本物の赤ちゃんかと思いました。よく出来ていますね。」
「ええ、これ作るの結構難しくて時間がかかるんですよ。だけどこの質感はお店では見つからないし、リサイクルが好きだから。」
彼女は笑顔でそう答え、バッグを撫でた。
電車がちょうど来て彼女は電車に乗り込んだ。
「リサイクル…?」
自分も電車に乗るはずだったのだが、ベンチに座ったまま去って行く電車を見送ることしかできなかった。
だるまさんがころんだ
お風呂に入って頭を洗うとき、絶対に「だるまさんがころんだ」と口にしたり、考えたりしてはいけない。
なぜなら、前かがみで目を閉じて頭を洗っている姿が「だるまさんがころんだ」で遊んでいるように見えるのに合わせて、水場は霊を呼びやすいとされるからだ。
もし頭を洗っているときに何度か「だるまさんがころんだ」を考えてしまったあなたは気づくだろう。
蒼白い顔の女が、背後から肩越しにあなたの横顔をじっと見つめていることに…。
さて、あなたは今からお風呂ですか?
何度も言いますが
「だるまさんがころんだ」
だけは絶対に考えてはいけませんよ。
百物語
百話に達すると怪異が起こるという百物語。
ある若者グループが10人が友達の家で百物語をすることにした。夕方から開始して99話に達したときにはすでに明け方近くになっていた。
あと1話で怪異が起こる…
そんな空気が流れていて誰も最後の1話を語ろうとはしない。ロウソクは使わずに部屋を真っ暗にしていたので、ただ沈黙と暗闇が続く。
しばらくして1人が沈黙をやぶり語り始めた。
その話は最後の話というだけあってとても怖い話だったという。
話が終わり再び沈黙が訪れる…
「なにも起きねえじゃん」と1人が電気をつける。
確かになにも起きていないと他の9人も安心した。
「最後の話まじで怖かったな~あれは誰の話?」
と聞くとみんな自分は話していないと言う。
…ではいったい誰が話をしたのか?
ふと気がつくと部屋の隅に誰かが膝を抱えてうずくまっている。
「俺だよ…」
と男が呟いた。
ビデオテープ
OLのAさんが仕事を終えて自宅に帰ると、郵便受けに1本のビデオテープが入っていた。中身が気になったAさんは早速そのビデオテープを再生してみたのだった。
夜に電気をつけずに撮影したのかはっきりとは見えないが、どこか薄暗い部屋の中で女がなにか騒いでいる様子が映っていた。その騒いでいる内容は独り言のようでもあり、誰かと話しているようにも聞こえた。
Aさんはくだらないと思いながらもテープを再生したまま、近くにあった雑誌を読み始めた。
しばらくするとテレビから音が消える。
再生が終わったと思いテレビを見ると、女が押入れの中に入っていく様子が映っていた。
それから数秒後、テレビの中で部屋の明かりがついた。
テレビの画面には仕事から帰ってきたAさんの行動が映っていた。