イオンデポジットってなに?
撥水コーティングは塗装面に落ちた水が水玉になりコロコロと落ちていくのが特徴のコーティングですが、「水玉が落ちずに天井やボンネットに残った際、レンズの役割をして日光を集め塗装面を焼いてしまう」という情報がありますが、結論から言えばそれは考えにくいです。
なぜかと言えばレンズの焦点と関係があるからです。
撥水コーティングの水滴にレンズ効果はあるのか
小学生のころの「虫眼鏡で日光を集める」という理科の実験を思い出してください。実験では虫眼鏡のレンズよりも焦点はずっと下にあったはずです。なので、塗装面の上の水滴が例えレンズの役割をしたとしても、焦点はずっと下になるので塗装面を焼いてしまうということは考えにくくなります。
さらに水滴(水分)の下が焦げるということもまずあり得ません。紙製の器に水を入れて下から火で焙っても燃えないのと同じなのです。そもそもメーカーは塗装が焦げるような粗悪なものを商品化するはずありません。そんなことしたら大問題ですよ(笑)
水分が蒸発したあとに白く残るものは、水分に含まれたゴミや塵、ミネラル分などで、この白く残った跡がイオンデポジットと呼ばれています。
イオンデポジットの原因
水が蒸発する際に水に含まれたミネラル分が塗装面に固着したものがイオンデポジットです。
- イオン:ミネラル分
- デポジット:堆積
では、そのミネラル分が多く含まれている水とは?
ミネラル分が多いのは水道水、雨水にはほとんど含まれない
水道水を拭き取らずに蒸発すると間違いなくイオンデポジットができます。これは水道水には多くのミネラル分が含まれているからで、数値で言えば地域差にもよりますが、約50ppm。逆に驚いたのが雨水にはほとんどミネラル分が含まれず、約1ppmという数値です。雨は一度蒸発してから降ってくるので蒸留水と同じなのです。
それは大気中の塵や花粉が雨に含まれたり、水滴に付着した埃などによるものです。なので水道水ほどイオンデポジットの原因にはなり難いです。やはり一番気を付けなければならないのが水道水での洗車ということになります。愛車を綺麗に保つには水分が蒸発しやすい炎天下の洗車を避け、素早く水分を拭き取ることを心掛けたいですね。
水道水でも純水器を通した水であればイオンデポジットの心配はありませんが、個人で買うとなると結構な値段ですので拘りたい方はどうぞ…。
まとめ
水滴で塗装面が焼ける心配はないと言えますが、雨が降ったあとや長期間メンテナンス(洗車)を怠ると雨シミやスケールの原因となり、そうなると通常の洗車方法では落ちず、専用のスケール除去剤や研磨などが必要となってきますので、小まめな洗車をするようにしましょう。